高圧と特別高圧の境目 — 2,000kWを超えると何が変わるか

契約電力2,000kWを境に、供給電圧、受電設備、電気主任技術者、工事計画届出、工事費負担金の計算方法、新しい規律の対象かどうかが変わります。

最終更新: 2026-11-04

データセンターの規模を決めるとき、契約電力が2,000kW(2MW)未満か以上かで、手続きと設備が大きく変わります。

1. 境目はどこか

託送供給等約款では、契約電力に応じて標準の供給電圧が決まっています。東京電力パワーグリッドの例です【東電約款】3(7)(8)ほか。

契約電力 区分 標準の供給電圧
50kW以上 2,000kW未満 高圧 6,000V
2,000kW以上 10,000kW未満 特別高圧 20kV
10,000kW以上 50,000kW未満 特別高圧 60kV
50,000kW以上 特別高圧 140kV

電圧の区切りは会社ごとに違います(例: 関西は 2,000〜10,000kW が 20kV/30kV、10,000kW以上が 70kV)。需要者の事情や設備の都合で、標準と違う電圧になることもあります【東電約款】13(5)。各社の値はエリア別ガイドにまとめています。

2. 何が変わるか

項目 高圧(6kV、2,000kW未満) 特別高圧(2,000kW以上)
受電設備 キュービクル式受電設備が一般的 特別高圧の受変電設備(受電用遮断器・変圧器)
電気主任技術者 外部委託承認制度が使える(7,000V以下で受電する需要設備)【保安】 外部委託の対象外で、選任が必要【保安】
工事計画の届出(電気事業法48条) 不要 受電電圧10,000V以上は必要。受理から30日間は着工できない【保安】
工事費負担金の計算 引込線の長さで計算(無償の長さを超えた部分) 契約電力×距離で計算した工事費から、送配電会社の負担額を差し引いた分
3か月以内の負担金入金ルール(2026-10-01〜) 対象外 対象
容量開放・費用精算(2027年4月目標) 対象外 30MW以上が対象(検討中)
申込状況の公表 対象外 送配電網協議会が四半期ごとに公表
需要側の空き容量の公開 どのエリアも公開していない 各社のウェルカムゾーンマップで目安を公開

工事費負担金の詳細は工事費負担金のしくみ、新しい規律は大規模需要の新しいルールをご覧ください。

3. 計画段階での考え方

  • 2,000kWの直前で止めるか、特別高圧にするか: 高圧なら主任技術者の外部委託や届出不要といった運用上の軽さがありますが、需要側の空き容量は公開されておらず、地点ごとに事前検討で確かめる必要があります。
  • 予備線: 2回線で受ける場合、予備線の工事費は全額が需要家(契約者)の負担になるのが一般的です。
  • 将来の増設: 高圧で始めて後から特別高圧に上げる場合、電圧と受電設備が変わるため、工事と手続きをやり直すことになります。

出典

確認日はいずれも 2026-10-01。