沖縄エリア(沖縄電力)— 需要側の系統申込ガイド
沖縄電力の区域でデータセンター等が受電するまでの手続き。小売と送配電が同じ会社にあるため窓口が分かれる点、原則2週間の事前検討、6,000V/20,000V/60,000Vの区分、66kV向けの電力供給余力マップ。
沖縄電力は法的分離の対象外で、小売部門と一般送配電事業の部門(送配電事業部)が同じ会社の中にあります。このため、沖縄電力(小売)から電気を買う需要家と、他社の小売電気事業者から買う需要家(託送)とで、窓口と手続きが分かれます【ルール】B 第2-1-1表 PDF p7。本文中の【 】は末尾の「出典」の略号です。
このエリアのポイント
- 事前検討の回答は原則2週間以内です。ただし、工事費負担金等の算定まで希望する場合、検討期間は協議になります【流れ】§1【約款】9(2) PDF p22〜23。
- 事前検討の手数料の定めはありません【約款】9(2) PDF p22。
- 配電系統アクセスルール上、沖縄電力(小売)から供給を受ける需要家には、事前検討の手続きは準用されません【ルール】B 第4章5 PDF p17。
- 特別高圧の電圧は 20,000V または 60,000V の2区分です【約款】13(3) PDF p32、19(3)ハ PDF p64。
- 66kV・契約電力10,000kW以上の需要者向けに「電力供給余力マップ」(2025年3月末時点)を公開しています【WZ】§2。
1. 申込みの流れ
高圧・特別高圧とも、骨格は同じです【流れ】§1【ルール】A 図7 PDF p32。
| 段階 | 申し込む人 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① 事前検討(任意) | 約款上は「契約者が希望される場合」に申し受けるとされています【約款】9(2)。アクセスルールでは申し込む人を「需要設備系統連系希望者」と定義しており、小売電気事業者に限る文言はありません【ルール】A PDF p5, 5.1 PDF p29。配電系統アクセスルール上、沖縄電力(小売)の需要家には事前検討は準用されません【ルール】B 第4章5 PDF p17 | 原則として受付日から2週間以内。不備のない書類を受領した日が受付日(検討期間の開始日)で、不備は原則7営業日以内に修正依頼があります【ルール】A 5.2〜5.3 PDF p29〜30/B 第4章1 PDF p16。負担金等の算定を希望する場合は検討期間を協議【流れ】§1 |
| ② 新増設の申込み | 電気工事店または小売電気事業者。「インターネット新増設申込システム」の受付範囲は、高圧と、特別高圧22kVの工事を伴う異動です。66kV以上は対象外です【流れ】§3 | — |
| ③ 接続供給契約の申込み | 原則、小売電気事業者です。電気工事店から申込みがあった場合は、小売電気事業者に内容を確認することがあります【流れ】§1(スイッチング支援システム対象外の申込み方法)。需要者の承諾書が必要です(需給契約で明らかな場合は省略可)【流れ】§1・§2 | 回答予定日は協議で決定。回答は書面です【ルール】A 6.1〜6.2 PDF p31/B 第4章2〜3 PDF p16〜17 |
| ④ 供給承諾 | — | 連系承諾書が送付されます【ルール】A 図7 PDF p32 |
| ⑤ 工事費負担金の契約・支払い | 契約者 | 原則として工事着手前。特別高圧の需要は承諾日から3か月以内です【約款】70(1) PDF p192。期日を過ぎると、原則として申込みの承諾が取り消されます【約款】51(4) PDF p155 |
| ⑥ 工事 | — | 新増設を伴う場合の準備期間は、契約申込みの回答時に別途協議します【ルール】A 6.5.1。工業用地の例では、22kV 3,000kWで14〜66か月、66kV 10,000kWで54〜60か月です(2025年3月時点の簡易検討)【WZ】§1 |
| ⑦ 受電 | — | 運用申合書等を経て接続供給兼基本契約を締結し、供給開始となります【ルール】A 図7 PDF p32。既に連系している設備を使う新規の接続供給でも、申込みから供給開始まで原則1.5か月程度です【流れ】§1 |
アクセスルール上、事前検討の回答は工事の要否と対象(アクセス設備・計量器・通信設備等)です【ルール】A 5.4 PDF p30。工事費負担金の概算と算定根拠、所要工期は、契約申込みの回答に含まれます【ルール】A 6.3 PDF p33。
2. 様式と提出書類
| 段階 | 様式 | 主な添付 |
|---|---|---|
| ① 事前検討 | 「供給側接続事前検討申込書」(様式LP1-20240410、宛先は沖縄電力)。広域機関の共通様式と同じ番号で、関西エリアと同じ様式です【流れ】§2【広域様式】 | 再申込みの場合などに、必要に応じて「前回提出資料内容との相違箇所一覧表」を出します【流れ】§2 |
| ① の回答 | 「事前検討の申込みに対する回答について」(様式LP2-20240410、ネットワークサービスセンター所長名)【流れ】§2 | — |
| ③ 契約申込み(共通) | 接続供給兼基本契約申込書(様式PP1-20240410、1地点用/複数地点用)【流れ】§2 | 需要者の承諾書(または「需要者の承諾書の提出省略の取り扱いに関する同意書」)、振込先口座指定依頼書【流れ】§2 |
| ③ 契約申込み(高圧) | 接続供給申込書(電力)(託送契約用)、高圧負荷明細票【流れ】§2 | 「接続供給契約申込書 使用設備カード(構内図、付近図、受電設備一覧、負荷設備一覧)(高圧以上)」。単線結線図の欄があります(別紙でも可)【流れ】§2 |
| ③ 契約申込み(特別高圧) | 接続供給申込書(特別高圧)(託送契約用、Word)【流れ】§2 | 負荷設備明細表、単線結線図、構内平面図、付近図。66kV以上は「接続供給申込技術検討資料」として、広域機関の接続検討申込書の様式2以降で提出します【流れ】§2 |
| ② 新増設(Web添付) | — | 負荷設備明細票(高圧供給用)、携帯用発電機等の施設通知書、自家用図面協議票、高調波流出電流計算書(その1・その2)【流れ】§3 |
| 特例・融通 | 特例区域等の適用に関する確認書/需要場所間の電力融通に関する確認書【流れ】§2 | — |
事前検討の申込事項は、需要者名称・需要場所・供給地点、契約電力、供給電圧、負荷設備・受電設備、供給開始希望日、回線数(常時・予備)、申込者の名称・連絡先などです【ルール】B 第4章1 PDF p16。
様式ファイルは「接続供給開始までの流れ」のページからダウンロードできます【流れ】§2。
3. 提出方法と窓口
- 託送(他社の小売電気事業者から買う需要家): 送配電事業部 ネットワークサービスセンター(沖縄県浦添市牧港五丁目2番1号 本店構内 別館5階、TEL 098-877-3225、平日8:30〜12:00・12:50〜17:00、慰霊の日・旧盆も休み)【流れ】§4【ルール】B 第2-1-1表 PDF p7。
- 沖縄電力(小売)から供給を受ける需要家: 沖縄本島は送配電事業部 ネットワーク受付センター、宮古島・八重山は各支店の配電サービスグループ、沖周離島は配電部 配電業務グループです【ルール】B 第2-1-1表 PDF p7。
- 新増設: インターネット新増設申込システム。電気工事店はWeb上で登録申請し、小売電気事業者は利用申請書をネットワークサービスセンターへ提出します【流れ】§3。
- 事前検討の提出手段(メール・持参・郵送など)は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。ネットワークサービスセンターのメールアドレスは掲載されていません【流れ】§4。
4. 費用
事前検討の手数料: なし。約款9(2)の供給側接続事前検討には検討料・調査料の定めがありません(受電側接続検討には調査料22万円の定めがあります)【約款】9(2) PDF p22〜23。
工事費負担金(託送供給等約款 第Ⅷ章)
| 区分 | 考え方 | 出典 |
|---|---|---|
| 高圧 | 無償こう長の架空1,000m/地中150mを超える部分に、架空3,410円/m・地中27,170円/m | 【約款】69(1)イ PDF p183 |
| 特別高圧 | 工事費単価(1kW・100mあたり): 架空 20kV 605円・60kV 176円、地中 20kV 880円・60kV 572円。当社負担額は5,500円/kW。標準電圧以外は全額。使用開始後3年以内の設備の利用は新設とみなします | 【約款】69(1)ロ PDF p185〜186 |
| 予備送電サービスを利用する場合 | 別途工事費負担金がかかります。負担の範囲を定める条項は確認できませんでした(各社窓口で要確認) | 【WZ】§1 |
| 供給開始前の廃止・変更 | 設備施設後に契約者・需要者の都合で廃止・変更した場合は実費(工事未実施でも測量監督等の実費) | 【約款】71(1) PDF p195 |
支払いは原則として工事着手前です【約款】70(1) PDF p192。
予備送電サービスの料金(受電後、1kWあたり月額): 予備A は高圧 124円94銭・特別高圧 83円16銭、予備B は高圧 152円06銭・特別高圧 107円26銭【約款】21 PDF p83〜84。
5. 高圧と特別高圧の区分・電圧
| 契約電力 | 供給電圧 | 出典 |
|---|---|---|
| 50kW以上 2,000kW未満 | 高圧 6,000V | 【約款】13(3) PDF p32 |
| 2,000kW以上 | 特別高圧 20,000V(系統上は22kV)または 60,000V(同66kV) | 【約款】13(3) PDF p32、19(3)ハ PDF p64 |
約款上、2,000kW以上はこの2区分だけで、10,000kW・50,000kWといった刻みはありません【約款】13(3)。運用上は、22kVの配電系統を配電部門、66kV以上を送電部門が所管しています【ルール】A 1.1 PDF p4。インターネット新増設申込システムで扱うのは22kVまでで、66kV以上は書面です【流れ】§3。66kVの電力供給余力マップは契約電力10,000kW以上の需要者を対象としています【WZ】§2。
予備送電サービスは、A=常時利用する変電所から同じ電圧で受けるもの、B=別の変電所または異なる電圧で受けるものです【約款】21 PDF p83。事前検討・契約申込みの申込事項に「回線数(常時・予備)」があります【ルール】B 第4章1 PDF p16。
6. 空き容量・系統情報の公開
- 需要側(特別高圧): ウェルカムゾーンマップの「電力供給余力マップ」で、66kV特高連系・契約電力10,000kW以上の需要者向けに、2025年3月末時点の空き容量を沖縄本島の市町村単位で「10MW以下/10MWを超え50MW以下/50MWを超える/66kV系統の設備なし」に色分けしています。市町村内で最小の空き容量を表示しており、高圧配電系統の空き容量ではないと明記されています【WZ】§2。
- 主な工業用地の目安: 「主な工業用地における電力供給工事について」で、屋部工場適地(名護市)と中城湾港新港地区工業団地(沖縄市・うるま市)に22kV・66kVで供給する場合の工期・こう長・工事費負担金の目安を示しています(下表)【WZ】§1。
- 需要側(高圧 6kV): 需要側の空き容量の公開は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。個別の地点は事前検討で確認します。
- 離島(宮古・八重山等): 需要側の系統情報は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
| 工業用地 | 供給 | 契約電力 | 所用工期 | 工事こう長 | 工事費負担金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 屋部工場適地(名護市) | 特高22kV | 3,000kW | 66か月(地中) | 1.00km | 約9.9百万円 |
| 屋部工場適地(名護市) | 特高66kV | 10,000kW | 54か月(架空) | 1.20km | 不要となる見込み |
| 中城湾港新港地区工業団地 | 特高22kV | 3,000kW | 14か月(架空) | 0.45km | 不要となる見込み |
| 中城湾港新港地区工業団地 | 特高66kV | 10,000kW | 60か月(地中) | 2.50km | 約88百万円 |
いずれも1回線供給を前提とした2025年3月時点の簡易検討です。工期は事前協議を経て申込みをしてからの期間で、目安であり大きく変動し得るとされています。予備送電サービスを利用する場合は別途工事費負担金がかかります【WZ】§1。
7. 大規模需要(データセンター等)に関するルールと動き
- 2026-10-01 実施の約款改定: 特別高圧の需要は、供給承諾日から3か月以内に工事費負担金を支払う必要があります【約款】70(1) PDF p192。実施時点で承諾済み・未払いの案件は、工事費負担金契約書の期日または実施日から3か月以内のいずれか遅い日までとする経過措置があります【約款】附則18 PDF p270。
- 申込み変更時の取消し: 変更認可申請書の「変更を必要とする理由」には、供給承諾から工事費負担金入金までの期限を設けること、「供給承諾前に需要家都合による申込みの変更等が発生した場合は、当該申込みを取り消す」整理を供給条件に反映することが記載されています【変更認可申請】PDF p408。約款本文でも、申込み内容に変更が生じる場合は原則として変更前の申込みを取り消し、あらためて申し込むとされています【約款】9 PDF p20。
- 特別高圧の工期: 工業用地の事例では、特別高圧の所用工期が14〜66か月と示されています【WZ】§1。
- データセンターに特化した受付ルールや誘致策は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
8. 申込み実務のポイント
- 小売の契約先で手続きが変わる: 沖縄電力(小売)から供給を受ける場合は、配電系統アクセスルール上は事前検討の手続きがなく、窓口もネットワーク受付センター等になります。他社の小売電気事業者から買う場合はネットワークサービスセンターが窓口です【ルール】B 第2-1-1表 PDF p7, 第4章5 PDF p17。どちらで受電する計画かを先に整理しておくと、窓口を間違えずに済みます。
- 事前検討を出せる人: 契約申込みは「原則、小売電気事業者さまから」とされています【流れ】§1。一方、アクセスルールは事前検討の主体を「需要設備系統連系希望者」と定義しています【ルール】A PDF p5。需要者や代理人の名義で事前検討を申し込めるか、委任状が必要かの明文は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
- 負担金・工期が必要なら早めに伝える: 事前検討の回答は原則2週間ですが、負担金等の算定を希望すると検討期間は協議になります【流れ】§1。
- 書類不備で起算日が遅れる: 検討期間は不備のない書類を受領した日から始まります【ルール】A 5.3 PDF p30。
- 申込みの変更と名義: 申込み内容に変更が生じる場合は、原則として変更前の申込みを取り消してあらためて申し込みます【約款】9 PDF p20。名義変更(約款52)は、成立済みの契約で新たな契約者がすべての権利義務を受け継ぐ場合の規定です【約款】52 PDF p157。再申込みの際は「前回提出資料内容との相違箇所一覧表」を出す運用があります【流れ】§2。事前検討回答の有効期限や、第三者(土地の買主など)への承継の規定は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
- 契約申込みは小売電気事業者: 契約申込みの段階では、小売電気事業者が需要者・電気工事店から必要な情報を聴取して申し込みます【流れ】§1。事前検討の回答書や図面一式を引き継げるように整理しておくと進めやすくなります。
手続き全体の流れは需要側の系統接続の流れ、電圧区分の考え方は高圧と特別高圧の違いも参照してください。
出典
確認日はいずれも 2026-10-01。
- 【約款】沖縄電力「託送供給等約款(令和8年10月1日実施)」 (ページは「PDF p」で表記)。掲載ページ https://www.okiden.co.jp/business-support/service/consignment/download/index.html 。2026-11-04 時点で掲載ページには令和8年11月1日実施版のみが掲載されており、本ページは10月1日実施版に基づいています。11月1日実施版との差分は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
- 【変更認可申請】沖縄電力「託送供給等約款 変更認可申請書」(令和8年6月24日) https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/business/free/fd_dl_260624.pdf
- 【流れ】沖縄電力「接続供給開始までの流れ」 https://www.okiden.co.jp/business-support/service/consignment/connection-flow/index.html 、「スイッチング支援システム対象外の申込み方法」 https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/business-support/service/consignment/powergeneration-flow/switching_notarget.pdf 、「新増設の申込に関するご案内」 https://www.okiden.co.jp/business-support/application_guide/ 、「ネットワークサービスセンター」 https://www.okiden.co.jp/business-support/service/consignment/contact/index.html
- 【ルール】沖縄電力 A「送電系統アクセスルール(令和8年6月22日改定)」 https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/business/free/sp_hp/sp_hp_02.pdf 、B「配電系統アクセスルール(令和7年4月1日)」 https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/business/free/power/rl_haiden_access.pdf
- 【WZ】沖縄電力「ウェルカムゾーンマップ」(主な工業用地における電力供給工事について/電力供給余力マップ) https://www.okiden.co.jp/business-support/service/welcome_zonemap/index.html
- 【広域様式】電力広域的運営推進機関「系統アクセス様式集(需要設備)」 https://www.occto.or.jp/access/kentou/youshiki.html#juyou