事前検討とは — 受電の可否・工事・費用の目安を確かめる最初の手続き

需要側の「事前検討(供給側接続事前検討)」で何がわかり、何がわからないか。全国共通様式LP1、回答期間、手数料、容量が確保されない点、回答の有効期間と引継ぎ。

最終更新: 2026-11-04

高圧の需要側の空き容量は、どのエリアも公開していません。そのため、ある土地で受電できるかどうかを確かめる現実的な手段が事前検討(正式には「供給側接続事前検討」)です。

1. 事前検討で何がわかるか

  • 工事の要否: 引込線(アクセス設備)、電力量計、通信設備など、供給に必要な工事が要るかどうか。原則2週間以内に回答されます【東電約款】9(2)【広域機関】。
  • 詳細検討(希望した場合): 工事の内容、工事費負担金の概算、工期。希望を申し出る必要があり、回答には時間がかかります(例: 関西は3か月程度、中国は「簡易検討」で約3週間)。

2. 様式と手数料

項目 内容
申込書 広域機関の全国共通様式 LP1(供給側接続事前検討申込書、様式LP1-20240410)。回答書は LP2【広域機関】
書く内容 需要者の名称・用途、需要場所、契約電力、供給電圧、負荷設備、開始希望日など【東電約款】9(2)
添付 引込付近図、平面図(受電設備の位置)、単線結線図など(エリアにより異なる)
手数料 需要側の事前検討に手数料の定めはありません(発電側の接続検討は22万円)【東電約款】9(1)(2)

各社のLP1のExcelは、関西以外はセル配置まで広域機関の原本と同じです。関西は入力フォームのシートから申込書へ転記する作りになっています。

3. 誰が申し込めるか

約款上は「契約者(小売電気事業者)が希望する場合」と書かれていますが、運用はエリアによって違います。

エリア 小売電気事業者以外の申込み
北海道 「電気工事会社さま等(設計会社含む)」も可と明記
東京 需要者・工事店が Web の「事前協議」で申込み可(事前検討は小売電気事業者がメール)
関西 小売電気事業者以外も可と公式に案内
九州 特別高圧(2,000kW以上)は需要家・自治体が無料の事前検討を直接依頼可
北陸 小売電気事業者が未決定のときに限り、電気工事店・設計業がLP1をメールで提出可
その他 各社窓口で要確認

詳しくはエリア別ガイドをご覧ください。

4. 事前検討の回答は「確約」ではない

  • 「事前検討は、系統連系を確約するものではありません。契約申込み後の供給承諾で系統連系が確定します」【広域機関】
  • 容量の確保(連系予約)が始まるのは契約申込みの後です【WG10】p4。
  • 回答書には「回答時点でのものであり、将来の供給余力を確約したものではありません」と書かれます(関西の回答書例)。申込みが遅れると内容が大きく変わることがあります。

5. 回答の有効期間と引継ぎ

  • 有効期間: 需要側の事前検討回答に有効期間を定めた規定は、各社の公開資料では確認できませんでした。例外は東京電力パワーグリッドの「事前協議」で、最終協議日から3年間有効とされています。
  • 第三者への引継ぎ: 事前検討の回答を別の人(土地の買主など)に引き継ぐ規定は、各社の約款に見当たりません。約款の「名義の変更」は、成立済みの接続供給契約の契約者が交代する場合の規定です。
  • 申込内容が変わったときは、原則として前の申込みを取り消して申し込み直します【東電約款】9。

土地の取引で事前検討の回答をどう扱うかは、系統接続と土地の評価で整理しています。

出典

確認日はいずれも 2026-10-01。