四国エリア(四国電力送配電)— 需要側の系統申込ガイド

四国電力送配電の区域でデータセンター等が受電するまでの手続き。原則2週間で回答する事前検討、全電圧対応のWeb申込、特別高圧の標準電圧が20kV・60kVの2区分である点、工事費負担金、ウェルカムゾーンマップ。

最終更新: 2026-11-04

供給区域は香川・愛媛・徳島・高知の4県で、周波数は60Hzです【約款】13(6) p24。本文中の【 】は末尾の「出典」の略号です。

このエリアのポイント

  • 事前検討は約款上「契約者(小売電気事業者等)が希望する場合」に行うもので、原則として申込みから2週間以内に工事の要否と工事種別が回答されます。検討料の定めはありません【約款】9(2) p15。
  • 2025年3月から、低圧〜特別高圧の全電圧で Web の工事申込受付システムが使えます。当面は書面での申込みも可能です【Web申込】。
  • 約款上の特別高圧の標準電圧は 20,000V と 60,000V の2区分のみです。20kV・60kV 以外の電圧で受ける場合、工事費は全額負担となります【約款】19 p47、69(1)ロ p152〜153。
  • 特別高圧(66kV以上)の需要向けに「ウェルカムゾーンマップ」(2026年9月15日現在)を公開しています。あわせて、工業用地の高圧(2,000kW未満)の工期・負担金の目安も示されています【ウェルカムゾーン】。

1. 申込みの流れ

公式ページは次の6ステップで案内しています【流れページ】。

段階 申し込む人 期間の目安
① 供給側接続事前検討(任意) 約款上は契約者(小売電気事業者等)。需要者の承諾書(情報開示)をあわせて提出するよう求められることがあります【約款】9(2) p15。需要者名義・代理人名義での受付の可否は確認できませんでした(各社窓口で要確認) 原則2週間以内に工事の要否と工事種別を回答【約款】9(2) p15
② 接続供給の申込み 契約者(小売電気事業者等)。Web では電気工事店が入力し、小売電気事業者が「小売承諾」して申込みが成立します【約款】9(4) p16【説明資料】p5 需要側の承諾回答の標準期間の公表は確認できませんでした(各社窓口で要確認)
③ 供給承諾 — 工事内容・工期・工事費負担金等が通知されます【流れページ】。申込みを承諾した時点で契約が成立します【約款】10 p21
④ 工事費負担金の契約・支払い 契約者 原則として供給準備着手前に全額。特別高圧の需要は承諾日から3月以内(2026-10-01から)【約款】70(1) p158〜159【流れページ】
⑤ 供給工事 — 送配電設備の新増設を伴う需要は「発電者側に準じます」とされ、個別協議です【準備期間】。工業用地の高圧(6kV・1回線・2,000kW未満)は工期3〜6か月程度の目安。特別高圧はウェルカムゾーン圏内で概ね5年前後【ウェルカムゾーン】
⑥ 接続供給契約の締結 — 接続供給兼基本契約書等を締結します【流れページ】

2. 様式と提出書類

段階 様式 主な添付
① 事前検討 「供給側接続事前検討申込書」Excel(様式LP1-20240410)。広域機関の全国共通様式と同じ番号で、記入例・連記式・【参考】様式3(回転機)のシートが付いています【流れページ】【広域様式】 ページ上での添付の指定はありません。約款上の記載事項は、需要者の名称・用途・需要場所(供給地点特定番号を含む)・供給地点、契約電力または契約容量、供給電気方式・供給電圧、負荷設備または主開閉器、開始希望日・使用期間です【約款】9(2) p15。単線結線図等の添付の要否は確認できませんでした(各社窓口で要確認)
事前検討の回答 事前検討回答書(様式LP2-20240410)【流れページ】 —
② 契約申込み(紙) 接続供給兼基本契約申込書(高圧以上)(様式PP2-20240410)。広域機関の共通様式は PP1-20240410 です【流れページ】【広域様式】 添付資料(1)需要者の概要・(2)受電設備・(3)負荷設備、使用設備カード(高圧以上供給側)(構内図・付近図・受電設備一覧・負荷設備一覧・単線結線図)、単線結線図、構内・引込見取図、高調波計算書(該当時)、事前協議メモ(写)、機器仕様書等【流れページ】【説明資料】p3
② 契約申込み(Web) 工事申込受付システム 添付資料(1)〜(3)に相当する内容を入力し、単線結線図・平面図・位置図・仕様書等を電子添付します【説明資料】p5
その他 承諾書の提出省略の取り扱いに関する同意書【流れページ】 —
契約申込みの回答 需要設備契約申込回答書(様式LP3-20240410)【流れページ】 —

契約申込みでは、需要者の契約者に対する承諾書(所定様式)の写し等を添付します。契約上明らかで不要と判断される場合は省略できます【約款】9(4) p16。

3. 提出方法と窓口

  • 事前検討: [email protected] へメールで提出します【問合せ】。
  • 高圧・特別高圧の新増設: Web の工事申込受付システム、または紙(メール・郵送)で申し込みます。問い合わせ先は [email protected] です【問合せ】【説明資料】p2。
  • 接続供給契約の基本契約の締結等: [email protected]【問合せ】。
  • 電話・書類の提出先: ネットワーク営業部 ネットワークサービスセンター 契約センター(高圧契約チーム)。〒760-0028 高松市鍛冶屋町3番地 香川三友ビル9F、TEL 087-805-0320、FAX 087-840-0852(平日 9:00〜12:00、13:00〜17:00)【問合せ】【Web申込】。
  • 大規模需要・ウェルカムゾーンの相談: ネットワークサービスセンター。〒760-8610 高松市丸の内2-5、TEL 087-805-2542、[email protected]。上記の契約センターとは別の表記です【ウェルカムゾーン】。
  • Web申込のID: 小売電気事業者・電気工事店とも、ユーザーID申請書と確約書をネットワークサービスセンターへ提出します(電気工事店は登録証の写し等も必要)【Web申込】。

4. 費用

事前検討の手数料: 約款に定めなし。有料と定められているのは発電側の受電側接続検討(22万円)です【約款】9(1)〜9(2) p14〜15。

工事費負担金(託送供給等約款 69)

区分 考え方 出典
高圧 無償こう長 架空1,000m/地中150m を超える部分に、架空 3,410円/m・地中 27,280円/m 【約款】69(1)イ p150〜152
特別高圧 工事費(新増加契約電力1kWあたり・こう長100mあたり。架空 20kV 561円/60kV 176円、地中 20kV 649円/60kV 594円)が、当社負担額 5,500円/kW を超える部分。20kV・60kV 以外の電圧(例: 187kV)は工事費全額 【約款】69(1)ロ p152〜153
標準設計超過・専用供給設備・予備供給設備 工事費全額 【約款】69(2) p155
  • 申受けは原則として供給準備着手前で、公式ページは「全額を申し受けます」としています。特別高圧の需要は承諾日から3月以内で、工事完成後に精算します【約款】70 p158〜159【流れページ】。
  • 定めた期日までに支払わない場合、原則として申込みの承諾が取り消されます【約款】51(4) p126。
  • 供給開始前に契約者・需要者の都合で廃止・変更した場合は、要した実費(測量監督・設計・調達資材を含む)を負担します【約款】71 p161。
  • ウェルカムゾーン圏内で、架空線1回線で変電所に連系する等の条件が整えば、事業者負担の工事費は不要となる見込みとされています。工業用地の高圧(2,000kW未満・6kV1回線)も工事費負担金は不要となる見込みです。いずれも目安で、供給電圧・受電地点は個別協議です【ウェルカムゾーン】。

予備送電サービスの料金(受電後、毎月): 予備A は高圧 85.80円/kW・特別高圧 78.10円/kW、予備B は高圧 121.00円/kW・特別高圧 130.90円/kW【約款】21 p61〜62。

5. 高圧と特別高圧の区分・電圧

契約電力 供給電圧(約款の標準電圧) 公称(公式ページの表記) 出典
50kW以上 2,000kW未満 高圧 6,000V 6kV 【約款】13 p23〜24
2,000kW以上 10,000kW未満 特別高圧 20,000V 22kV 【約款】19 p47【ウェルカムゾーン】
10,000kW以上 特別高圧 60,000V 66kV 【約款】19 p47【ウェルカムゾーン】
5万kW超等 標準区分なし。187kV での連系協議を求められることがあります 187kV 【ウェルカムゾーン】
  • 約款上、特別高圧の標準電圧は20kVと60kVの2区分で、100kV級の区分はありません【約款】19 p47。
  • 予備送電サービスは、A=常時利用する変電所から同位の電圧で受ける、B=別の変電所または異なる電圧で受けるものです。予備送電の契約電力は原則として50kWを下回りません【約款】21 p61〜62。
  • 既設設備を利用する場合の準備期間(高圧500kW以上・特別高圧)は、計量器交換が必要で5週間、特別高圧の変成器の在庫がない場合は20か月です【準備期間】。公式の小売向け説明資料には変成器在庫なし10カ月とありますが、現行の準備期間ページの値(20か月)と異なります【説明資料】p4。

6. 空き容量・系統情報の公開

  • 需要側(特別高圧): 「ウェルカムゾーンマップ」(2026年9月15日現在)で、66kV の県別4枚と187kV の計5枚を公開しています。変電所・送電線の空容量が載っており、空容量は目安です【ウェルカムゾーン】。
  • 需要側(高圧): 6kV 配電レベルの需要側の空容量の公開は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
  • 発電側の情報との違い: 「系統アクセスに関するデータ集」では、基幹系統(187kV以上)とローカル系統(66・110kV以下、県別)の系統構成・予想潮流・空容量(PDF/CSV、2026年10月版)、地点別需要・潮流実績、作業停止計画を公開しています。これらは主に発電側の系統アクセス情報です【データ集】。

7. 大規模需要(データセンター等)に関するルールと動き

  • ウェルカムゾーンマップ(2024-07-19 初公開、2026-09-15 現在版): 主に特別高圧での供給を希望する事業者が対象です。変電所や送電線から3km程度であれば概ね5年前後で供給できるとされ、希望容量が5万kWを超える場合等は187kVでの連系協議を求めることがあります。3km圏内の自治体の工業団地へのリンクも付いています【ウェルカムゾーン】。
  • 工業用地の電力供給工事の目安: 「契約電力2,000kW未満:高圧(6kV、1回線)」は工期3〜6か月程度・工事費負担金は不要となる見込み、「契約電力2,000kW以上:特別高圧(22kV、66kV)」は個別に問い合わせ、と示されています【ウェルカムゾーン】。
  • 2026-10-01 の約款改定「大規模需要の系統接続に係る規律」(2026-06-24 申請、2026-07-22 認可): 特別高圧の需要地点について、①供給承諾から3ヶ月以内に工事費負担金を入金しないと契約申込みを解除、②供給対策工事・技術検討の結果に影響する需要家都合の申込みの不備・変更があった場合は契約申込みを取り消す、とされました。国の次世代電力系統WG(2025-09-24、2026-04-16)の整理を反映したものです【改定申請】p1〜2【認可】p1。経過措置は附則16です【約款】附則16 p221。
  • 2026-11-01 実施の約款変更(2026-09-11 届出)があります。変更内容は確認できませんでした(各社窓口で要確認)【約款】。

8. 申込み実務のポイント

  • 申込みの主体: 約款・公式ページ上、事前検討・接続供給申込みの主体は「契約者(小売電気事業者等)」です。Web 申込みでは、電気工事店がIDを登録して入力し、小売電気事業者が承諾する二段構えです【約款】9(2) p15, 9(4) p16【説明資料】p5。代理人による事前検討の申込みや委任状の様式は確認できませんでした(各社窓口で要確認)。
  • 小売電気事業者が決まる前の相談先: 大規模需要の立地検討については、ウェルカムゾーンページに相談窓口([email protected]/087-805-2542)が示されています【ウェルカムゾーン】。事前検討申込書には「事前検討に関する需要者承諾状況」の欄があります【流れページ】。
  • 回答は時点情報: 事前検討回答の有効期間の定めは確認できませんでした(各社窓口で要確認)。ウェルカムゾーンの空容量も、他の申込みや系統状況の変化により変わると明記されています【ウェルカムゾーン】。
  • 申込み内容の変更・名義: 申込み内容に変更が生じる場合、原則として変更前の申込みは取消しとみなされ、再申込みになります【約款】9 p13。名義変更の規定(約款52)は成立済みの接続供給契約の権利義務の承継に関するもので、事前検討回答や申込み中の地位を第三者に承継する規定は確認できませんでした(各社窓口で要確認)【約款】52 p128。
  • 特別高圧の3か月入金ルール: 特別高圧の需要は、供給承諾から3か月以内に工事費負担金を支払う必要があります。資金計画は承諾前に固めておきます。このルールは特別高圧の需要が対象です【約款】70(1) p158〜159。
  • 準備期間は現行ページで確認: 説明資料と準備期間ページで数値が異なる項目があります。現行の準備期間ページを確認してください【準備期間】【説明資料】p4。

出典

確認日はいずれも 2026-10-01。【約款】のページ番号は約款の印刷ページです(PDFのページは印刷ページ+5)。